路地は薄暗くて静かだった。歩いている人もほとんどいない。このような路地には寛いでいる人もいないのだ。寛ぐにはちょっと寂しすぎる。でも、その静寂は猫の好みに合致するのかもしれない。人間に邪魔されること無く寛ぐことができる。何しろ、都会の路地には天敵となるような動物はいないに等しいだろう。思う存分羽を伸ばせるに違いない。
そんな路地の一角に猫がいた。地面に体を伸ばしてのんびりしている。首が見えるから、近くの家で飼われている家猫なのだろう。人に慣れている感じだ。僕が近づいていっても、慌てて逃げる様子はない。鷹揚に構えたままだった。飼い主に日々可愛がられているようで、たとえ見知らぬ人であっても人間を怖いものと思っていないようだ。前に路地で見かけた猫とは大違いだ。でも、逃げないこととカメラに興味を示すことは別の話なのが困ったところ。近づいてカメラを向けても、一向にレンズの方を見てはくれなかった。ずっと僕なんていないかのように、上の方を見続けたままなのだった。
2018年8月 動物 タイ | |
路地 バンコク 猫 薄暗さ |
No
10693
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年08月15日
更新日
2024年02月04日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA