ミャンマー最大の聖地であるシュエダゴォン・パヤーの境内を、汗を拭いながら歩いていた。ヤンゴンの丘の上にそびえ立つ黄金の巨大な仏塔の周りには、まるでおまけのように幾つものお堂が建ち並んでいる。中を覗き込むと、どのお堂にも大きな仏像がいくつも鎮座していた。これが日本の大きな寺院でいうところの塔頭に相当する施設なのかどうかは、素人の僕にはさっぱりわからない。そもそも大仏から小さな仏まで、それぞれのお堂にどういった違いがあるのかすら、ちっとも見分けがつかないのである。
そのちっとも見分けがつかないお堂の一つに足を踏み入れてみると、やはり何体もの仏像が所狭しと並んでいた。板張りの床には二人の女性が腰を下ろし、静かに瞑想らしきことをしている。彼女たちは右端に鎮座している大きな仏像に真っ直ぐ顔を向けていた。しかし、並んでいる仏像はどれもつるりとした同じような顔つきをしていて、大きさ以外に何が違うのか皆目見当がつかない。皆が一様に穏やかな表情で、同じような姿勢で座っている。彼女たちがなぜわざわざ右端の仏像を選んで祈っているのか、その選定基準は僕の凡庸な頭では理解しがたいのだ。
その僕の凡庸な頭では理解しがたい仏像たちをよく観察してみると、手のポーズ、すなわち印相がどれも完全に一致していることに気がついた。右手を膝の前に垂らして指先を地面に向ける、触地印と呼ばれる形である。これは釈迦が悟りを開く際に悪魔の誘惑を退けたことを示すサインらしい。日本で一般的な大乗仏教の仏像とは、明らかに流行りのポーズが異なるのだ。ミャンマーで広く信仰されている上座部仏教では、この触地印が圧倒的なシェアを誇っているのかもしれない。
| 2010年8月 町角 ミャンマー | |
| 仏像 瞑想 リラックス 寺院 参拝客 ヤンゴン |
No
4417
撮影年月
2010年3月
投稿日
2010年08月04日
更新日
2026年06月09日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
スナップ写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF24MM F1.4L USM