運河沿いの道を歩いてフアランポーン駅へ向かっていた。別にバンコクを後にして、他の町に移動する訳ではない。フアランポーン駅から地下鉄に乗ろうと思っていたのだった。歩いている道は広く、多くの車が行き来している。その割には歩いている人は少なく、歩いていてもあまり面白くない。そこで僕は細い運河を渡って、向こう側へ渡ることにした。運河に架かる小さな橋にやって来ると、三人の比丘尼の姿が見えた。ひとりは傘を差して歩いている。
タイにはイスラム教徒もいるけれど、大多数の国民は仏教徒だ。日本と違って上座部仏教が主流であるこの国では一時的でも出家をする人は多い。そうすることによって、本人はもちろんのこと、家族も徳を積めると信じられているからだ。でも、これは男性に限った話で女性は正式に出家することを認められていないのだという。この時代には信じられないくらいの女性差別だ。そのため橋を歩いている三人の女性も正確には比丘尼ではない。正式な出家が認められなくとも、自発的に仏教修行に励む女性信者たちのことはメーチーと呼ぶ。三人の女性はメーチーだった。
2018年4月 人びと タイ | |
バック・ショット バンコク 青空 橋 比丘尼 傘 |
No
10526
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年04月19日
更新日
2024年02月20日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA