古墳に古代史のロマンを感じるのが正しい姿なのかもしれないけれど、行田にある埼玉古墳群を訪れても古代史のロマンを感じるのは難しかった。確かに埼玉古墳群には8基の前方後円墳と1基の円墳が残っていて(昭和以前にはもっと多くの古墳が残っていたらしい)、古代史のテーマパークと呼ぶのにふさわしい規模を誇っている。しかしロマンを想起させる歴史が薄いのだ。
埼玉古墳群が造営されたのは5世紀後半から7世紀のこと。古事記も日本書紀も完成する前の時代で、この巨大な古墳群に誰が埋葬されているのかは分かっていない。前方後円墳が造営されていることから、ヤマト王権の支配下にあった豪族のものと考えられているものの、埋葬者ははっきりせず、埋葬者の人物像が分からないとロマンも盛り上がらない。
大仙陵古墳や箸墓古墳のように、正解かどうかはさておき、埋葬者の人物像がないと古代史のロマンは膨らまないのだ。それは韓国の慶州市にある古墳群を訪れたときも同じだった。歴史的に価値のあるもので、出土品が素晴らしくとも、埋葬者の人物像が不明だと一介の遺跡好きの妄想を膨らませる起爆剤にはならないのだ。
2023年11月 建築 埼玉 | |
青空 行田 公園 古墳 |
No
12538
撮影年月
2023年5月
投稿日
2023年11月18日
更新日
2023年11月20日
撮影場所
行田 / 埼玉
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF