住宅街の路地には洗濯物がよく似合う。それはここジャカルタの路地でも同じだった。通りかかった路地にはあちらにも、こちらにも洗濯物が干してあるのが見えて、そこかしこに地元の人の生活臭が漂っている。
人間が衣服をまとうようになって、さらに複数の衣服をもてるようになってからというもの、洗濯という面倒な家事が人間のTODOリストに加わってしまっている。そして、ほとんどの地域で洗濯は女性の仕事となっているような気がする。仏教国だろうがヒンドゥー国だろうがイスラム国であろうが洗濯するのは女性と決まっているように見えるのだ。洗濯機が普及していないところだと単に洗濯と言っても、洗濯板でゴシゴシしたり、衣類を石にぶつけたりして洗うので想像以上に力仕事だ。それなのにラオスでは女性が川の中に立って洗濯しているのを目にしたし、インドでは川辺に女性たちが立って洗濯物を石にぶつけているのを目にした。けれど、男性が洗濯をしているのはほとんど目にしたことがないから不思議だ。川の中で洗濯しているのは女性ばかりで、その間、男性は山に柴刈りに行っているかのようだ。
ここジャカルタではどうなのかというと、正直なところよく分からなかった。洗濯機が各家庭に普及しているようで、町中を流れる川の中で洗濯している人はひとりもいない。男性だろうと女性だろうと町中の川の中で洗濯している人を見かけることはなかったのだ。でも、路地で洗濯物が干してある場所の近くには女性がいることが多いので、おそらくジャカルタでも洗濯するのは女性の仕事となっているのだと思う。通りかかった路地でも洗濯物の近くで女性たちが子守をしていた。確かなのは路地の先に青空が広がっていたことだけだった。
2020年12月 町角 インドネシア | |
路地 電線 ジャカルタ 洗濯物 |
No
11756
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月11日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF