道端に大勢がたむろしているところでは、人びとは思い思いに時間を過ごしていることが多い。何かのために行列しているような状況でもない限り、人びとはゆっくりと流れていく時間をやり過ごす術を何かしら持ち合わせているのだ。
スマホが普及する前のミャンマーでは、道端にいる人の多くは本やら雑誌やら新聞やら活字を読んでいた。ミャンマーでは全国民は活字中毒なのではないかという疑念を抱くくらいだった。ここジャカルタでは、歩いているとチェスに興じている人をしばしば見かけた。チェスに興じるなんて持て余している時間が5分や10分ではないだろう。結構な長い時間暇を持て余すのがわかっているに違いない。
このように暇つぶしの手段にはいろいろなものが挙げられる中で、どこの国でも普遍的に見られるものが昼寝だ。話し相手もなく、かといって手元にスマホがあるわけでもなく、どうしようもない場合に寝ている人はどこの国でも多い。体を横にできなくても、何故そこにとおもってしまうような窮屈そうな場所でも人は昼寝をしているのだ。
ジャカルタを歩いていて、道端に置いてあった荷車でも男が荷台の中で寝ていた。足を曲げて窮屈そうに見えるけれど、男の顔は柔和だ。こんな姿勢でも男は安眠しているようだった。
2020年12月 インドネシア 人びと | |
荷車 ジャカルタ 荷台 昼寝 |
No
11757
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年12月12日
更新日
2023年08月29日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF