ごちゃごちゃした路地を抜けると、ちょっと大きな通りへと出た。家々の間を走っていた路地と違って、この道路には幾つものお店が並んでいて、打って変わって町の活気があった。働いている人びとを眺めながら、僕はのんびりと歩いていた。そうこうしているうちに、僕は床屋の前へとやって来ていた。
お店の中に置かれている唯一の椅子には客が座っていて、脇には眼鏡をかけた床屋というのだろうか、美容師というのだろうか、いずれにしても店の主が立っている。ハサミを手にした男はちょうど椅子に腰掛けた客の髪を散髪しているところだった。日本と同じように、客の体には切った髪が直接つかないようにヘアーカットケープがかけられている。なぜだか分からないけれど、ケープには日本語が書かれていた。漢字とひらがなの形はミャンマーの人にとっては格好いいと見えるのだろうか。
美容師の男は真面目な顔で黙々と仕事を進めていて、僕の方には一瞥もくれない。客の男は男で、じっと目の前の鏡を見入っている。新しい髪型がどうなるのかワクワクしているようだ。このお店が近所で評判なお店なのかどうかは分からない。いずれにしても、散髪した髪が散乱している床を裸足で歩くのはちょっと嫌だ。美容師も客の男も揃って裸足なのだ。
2019年7月 ミャンマー 人びと | |
床屋 眼鏡 ヤンゴン |
No
11099
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年07月16日
更新日
2020年01月16日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA