ミャンマーのヤンゴンで撮影。
この露天市を歩いているのは地元の人ばかりだった。確かに売られているのは生鮮食品ばかりで、観光客が旅先の雰囲気に誤魔化されて買ってしまうようなものは見当たらない。そのようなものを探している人は、ヤンゴンで一番著名なボージョーアウンサンマーケットにでも行くべきだ。そこにはお土産として相応しいものから、なんで買ってしまったのだろうと後で後悔してしまうものまで旅行者向けの商品が揃っている。ここにはそのような類いのものはない。庶民的な空気が漂っているのだ。
着飾って歩いている人も見かけることもまずない。働いている人も買い物に来ている人も普段着のままでここにやって来ているのだ。写真の女性もそんな露天市の端でピンクの籠を抱えて腰を下ろしていた人だった。地元の人の中では比較的派手な服装をしている。着ているワンピースはカラフルな水玉でイッパイだった。そして、顔にはたっぷりとタナカが塗られている。ここではタナカを塗っている人は珍しくはない。でも、塗り方には個性が出るようで全体にべったり塗る人もいれば、一部に控えめに塗る人もいる。この女性は顔全体にしっかりと塗っていて、美容パックのようになっていた。