インドのベルハンポルで撮影。
髭を生やした若い男は肉屋だった。自分の店の店先に腰を下ろしている。傍らには丸太で作られた俎板が置いてあって、その上には肉の塊が見える。床には肉の断片が転がっている。あまり綺麗なお店ではなかった。
このお店には冷蔵設備はないから、今日捌いた肉は今日中に売り切らなければならない。けれども、俎板の上にはまだ売られていない肉の塊が見える。男が浮かない顔をしているのはそのためなのかもしれない。ちょうど肉を売った直後で、手にはお札が握られているのだけれど、男はあまり楽しそうではなかった。