道端にあった小屋の中では、ルンギを穿いた男がどっしりと椅子に腰掛けていた。男の前には大きな切り株の俎板があって、その上には二本の長い包丁が置いてある。男は肉屋で、この粗末な小屋は男のお店だった。
でも、店頭に肉は一切並んでいない。おそらくは、もう全て売り切ってしまったのだろう。男は寛いだ状態で、切るべきものが来た時にはいつでも仕事に取り掛かれそうだ。商売道具の包丁も俎板の上に置いてあるし、準備は万端だ。備えあれば憂い無し。男はその時が来るのを静かに待っているのだった。
2012年4月 インド 人びと | |
椅子 俎板 ナイフ マルダ |
No
6341
撮影年月
2011年7月
投稿日
2012年04月13日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
マルダ / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM