成田祇園祭で曳き廻される山車の上に立つ男衆が扇子を振りかざしていた

僕が知らなかっただけで、成田で行われる祇園祭は規模の大きなお祭りだった。JR成田駅で電車を降りて改札を出た時は特に盛り上がっていなかったので地味な祭りなのかと思ったけれど、そのさり気なさはフェイントだったかのよう。成田山新勝寺へ続く参道を歩いていると、寺院に近づくほど祭りのボルテージが上がっていく。そして寺院にほど近い三叉路で最高潮に達した。

法被をまとった大勢の人で賑わう三叉路でしばらくウロウロしていると、坂の下から歓声が坂道を上がってくる。太いロープを引っ張る人びとの向こうに大きな山車が坂道を上がって来るのが見えたのだ。成田祇園祭は全部で10台の山車が曳き廻されるお祭り。そのうちの一台が向こうからやって来たのだ。図ったわけでもないのに完璧なタイミングだ。

坂道を上がってきた山車は思っていたよりもずっと大きい。山車そのものだけでも結構な重量があるところに、祭囃しを演奏している人も乗っているし、屋根に立って扇子を振りかざしている人もいる。これが曳き廻されるのだから迫力がないわけがない。屋根に立っている人たちも、その迫力にはなを花を添えるかのように鯔背な姿を見せつけていた。

　でコメントする

ENGLISH