写真の男はバンコクを流れるセンセープ運河沿いにあった工房で働いていた。暑いから上半身裸になって仕事をしている。胸にはプラクルアンがぶら下がっている。町を歩いていると、あちらこちらでプラクルアンというお守りを売っているのを目にするけれど、実際に地元の人が身につけているのをはっきりと見たのは初めてだった。あれだけプラクルアンに群がっている人を見掛けるのに身に付けている人をほとんど見かけなかったから、ちょっと不思議に思っていたのだ。ひょっとしたら、身に付けるものではなく、投機対象でしかないのかと思っていたくらいだ。
男の前には大きな切り株が置かれている。そして、その上に湾曲した金属の板が載せられていた。男は手にしたハンマーで金属を叩いている。この工場で作っているのは僧侶が托鉢に使う鉢だ。男が行なっている作業はかなり上流の工程なのだろう。金属の板はまだまだ鉢の形にはほど遠い。もしここが托鉢用の鉢を作る工房だと知らなければ、男が何を作っているのかを理解するのは難しかったに違いない。
2018年3月 人びと タイ | |
お守り バンコク 職人 扇風機・扇子 眼鏡 ハンマー 上半身裸 工房 |
No
10496
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年03月28日
更新日
2024年02月28日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA