香港の街を歩いていると、ふと視線を奪われるのは、頭上に突き出した巨大な看板たちである。車道の上にまでせり出すように設置されたその電飾看板は、香港の雑然とした美しさの象徴とも言える存在だった。しかし、ここ数年、その姿を少しずつ見かけなくなってきたという。老朽化、安全基準、そして都市景観の変化――理由はいくつもあるが、いずれにしても「失われつつある風景」なのだ。
湾仔の通りを歩いているときに見つけたのが、この一枚。緑の葉を模したユニークな形状の看板は、茶行──つまり茶葉を扱う店のものである。赤い文字が刻まれたその葉は、時代の波に抗うように、今も変わらぬ場所に吊られていた。古びてはいても、どこか誇らしげに見える。
2025年6月 香港 町角 | |
看板 湾仔 窓 |
No
12861
撮影年月
2024年9月
投稿日
2025年06月21日
撮影場所
湾仔 / 香港
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF