横浜で関内と呼ばれるエリアを歩いていた。山下公園や横浜スタジアム、中華街などメジャーな観光スポットのあるこのエリアには、関内という名前の駅もあるから、てっきり関内という地名が存在するものだと思っていた。けれど違う。大岡川と首都高速横羽線、中村川と海に囲まれた地区を指す通称に過ぎないのだ。
もともと関内とは横浜に設置された外国人居留地の区域を「関内」と呼んだことに由来している。時は1859年、まだ明治維新前のこと。日本人と西洋人の接触を快く思っていなかった幕府は、外国人居留地の中と外を自由に行き来できないように入り口に関門という関所のようなものを置いた。その結果、関門の中を関内、外を関外と呼んでいた名残なのだ。
つまりこの時歩いていた通りも、外国人居留地だったところ。この辺りにはいくつもの外国商社が店舗を構え、中には中国・上海・外灘にある旧サッスーンハウスやインド・ムンバイにあるサッスーンドックに名を残すサッスーン商会も含まれていたという。
しかしながら居留地が返還されてから100年以上の月日が流れていて、周囲には外国人居留地だった歴史を思い起こさせるものはほとんどない。ふと見上げるとジャズバーの看板が目に入った。一瞬居留地を思い浮かべてしまったけれど、それは違う。これも外国人居留区だった歴史とは関係のないものだ。
2022年4月 町角 神奈川 | |
バー 歩行者 看板 横浜 |
No
12231
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年04月10日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
横浜 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35