臺中國家歌劇院には、観劇のために来たわけではない。ただ、この建物の中を自分の足で歩いてみたかったのだ。外から見ても個性的なその建築は、内部に足を踏み入れると、さらに異次元のような空間へと姿を変える。
天井から床、壁までが一続きの滑らかな曲線を描くホール。まるで巨大な洞窟の中に迷い込んだかのような感覚に包まれる。僕の視界を覆うその柔らかな曲線は、建築というよりも「彫刻」に近い。直線が支配する都市の中で、これほどまでに柔らかく、包み込むような空間があるとは思っていなかった。
劇場ホールへとつながる階段には、ちょうど誰かが一人、ゆっくりと歩いていた。その姿は、この広大な空間に対してあまりに小さく、けれども、確かにその場に「いる」ことが、美しく感じられた。
2025年6月 建築 台湾 | |
階段 台中 劇場 |
No
12862
撮影年月
2024年12月
投稿日
2025年06月22日
撮影場所
台中 / 台湾
ジャンル
建築写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF