大圓寺は目黒駅近くにある行人坂というとても急勾配の坂の途中に建っている。行人とは僧侶の身分のひとつ。もちろん今ではこの坂で僧侶の姿を目にすることはないし、かつてはここから見えたという富士山の姿も見えない。主要道路の座を権之助坂に譲った上に、両脇を建物に挟まれてしまい、行人坂は何の変哲もない急峻な坂になってしまっている。
急な坂に面して建てられている門をくぐると、そこはもう大圓寺の境内だ。それほど広くない境内には明和の大火の犠牲者を供養するために建てられた地蔵の苦しそうな顔が並んでいる一方で、それとは対象的に柔和な顔の地蔵も建っている。
一列に並んだ柔和な顔の地蔵はどれもこれもちょっと上を向いて笑っている。よく見てみると、顔立ちはそれぞれに異なっているのだけれど、みな福耳だった。この笑顔はお金の悩みから解放された笑顔なのかもしれない。ちなみに、福耳が金運の印と考えられているのは仏教の影響らしい。西洋ではそのような考え方はないというから面白い。
2011年7月 静物 東京 | |
地蔵 目黒 笑顔 像 寺院 |
No
5581
撮影年月
2011年5月
投稿日
2011年07月17日
更新日
2024年07月01日
撮影場所
目黒 / 東京
ジャンル
静物写真
カメラ
OLYMPUS PEN E-P2
レンズ
M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42MM