ワット・アルンは川沿いに建てられていて、境内には船着き場も設けられている。僕はそこからフェリーの乗った。観光客でいっぱいになったフェリーは、大きなチャオプラヤー川をゆっくりと横断していく。川の水は日本の河川とは違って濁っていた。上流から肥沃な土壌が運ばれているのだろう。フェリーはあっという間に対岸へ着いた。ここは王宮のあるプラナコーン地区だ。僕の逗留している宿もこの地区にある。つまり出発地点に戻ってきた訳だ。
この日の予定はほぼ終了だ。夕食でも食べようと思い、王宮の壁に沿ってカオサン通りに向かう。カオサン通りもプラナコーン地区にあるのだ。壁の上にはスペードの形をした意匠が並んでいる。侵入帽子のために設けられているのだろうけれど、あまり実用的ではなさそうだ。そんなことを考えながら歩いていると、道の向こう側に男子学生とお母さんが立っているのが見えた。強い日差しの中でシルエットになったふたりは、同じ日傘に入って立ち話をしている。周囲には壁が続いているだけで何もない。一体何をそんな場所で何を話しているのだろう。ふたりを横目で見ながら、お腹の減った僕はカオサン通りへ急ぎ足で向かったのだった。
2018年6月 町角 タイ | |
バンコク シルエット 傘 壁 |
No
10612
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年06月19日
更新日
2024年02月10日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA