JRの渋谷駅と井の頭線の渋谷駅を結ぶ連絡通路が、スクランブル交差点のすぐ近くに設けられている。そして、大勢の人が行き来するこの通路の壁には大きな壁画が飾られている。岡本太郎作の「明日の神話」だ。これは岡本太郎がメキシコの依頼主に納品した作品なのだけれど、長いこと所在がわからなくなっていた作品だ。2003年にメキシコシティ郊外の資材置き場に放置されていたのを発見され、修復作業を経てここに飾られることになったのだった。いかにも岡本太郎といった画風の色調は暗く、見ていると明日が必ずしも光り輝いているものではないことが伝わってきてしまう。画風がそうさせているのか、壁画が飾られるとこになった時には立ち止まって眺める人もいたけれど、今ではほとんどの人が急ぎ足でこの前を通り過ぎていってしまう。
その一方で、壁画の反対側はガラス窓になっていて、渋谷のスクランブル交差点の様子を窓越しに眺めることが出来るようになっている。壁画を眺める人は少ないけれど、こちらには大勢の人が立ち止まっているのだった。カメラを構えている人もいる。そのような人を眺めていたら、窓の外に大きな瞳があるのに気が付いた。きっちりとアイラインを引いた瞳はこちらに目を見開いている。まるで、窓の外から「明日の神話」を眺めているかのようだった。
2018年10月 町角 東京 | |
瞳 渋谷 シルエット 壁 |
No
10757
撮影年月
2018年4月
投稿日
2018年10月09日
更新日
2024年01月29日
撮影場所
渋谷 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA