ムンバイの街を歩いていると、歩道の端に驚くほどの数の鳩が密集している場所を見つけた。その光景は、鳩が一面を覆い尽くしてまるで「鳩の絨毯」のようだった。なぜここにこれほど多くの鳩が集まっているのか、不思議に思い近づいてみると、その理由はすぐに分かった。区切られたエリアの地面に餌がびっしりと撒かれていて、鳩たちは夢中でそれを啄んでいたのだ。鳩にとって、ここはまさに天国のような場所だ。
しかしながら、疑問が湧いた。なぜこのような「鳩の天国」が大都会の歩道の一角に存在しているのか? 餌が自然にそこに現れるはずもないので、誰かが意図的に撒いていることは明らかだ。その目的が何なのか気になり、立ち止まって観察してみた。
しばらく眺めていると、近くのテントに男がやって来た。彼はお金を払い、そこに置かれている餌を購入すると、鳩が群がるエリアにその餌を撒き始めた。どうやら、ここは餌を購入して鳩に与えることができるアトラクションのようだった。
日本でも奈良の鹿や公園の鯉などに餌をあげられる場所は珍しくないけれど、ムンバイのこの鳩エリアは、それをさらに自由で大胆な形にしたように感じられる。公道の一角で堂々と行われているこの光景は、インドならではのカオスと魅力が同居した雰囲気を体現しているようだった。鳩たちにとっては嬉しい場所かもしれないが、この絨毯のような光景を見ていると、少しだけシュールな気分にもなった。
2025年2月 動物 インド | |
ムンバイ 鳩 露天商 傘 |
No
12787
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年02月03日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
動物写真
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF