UFOが飛来したり、日食が起きているのならそうなるのも理解できるものの、なんでもない昼下がり、大の大人たちが同じような姿勢で空を見上げているとちょっと奇異な印象を受ける。この日にやって来た哲学堂公園にそんなちょっと変な日常が転がっていた。
池の周辺に立った人たちが、日差しを避けるためだろう、手のひらをかざしながら空を見上げていた。一糸乱れぬとまではいかないものの、みな同じような姿勢だ。そのような光景に遭遇したら、誰だってその視線の先に何があるのか気になるに違いない。僕も何か興味深いものがあるのかと思って慌てて同じ方向を眺めてみた。でも何もない。真っ青な空が広がっているだけだった。
次第に飲み込めてきた状況を整理すると、この人たちは別に空に浮かんでいるものを眺めていたのではないようだ。有志が集まって、公園で体操をしていただけのよう。よく見てみると、ひとりだけが皆と反対方向を向いて声を張り上げている。この人の声に従って、他の人は様々なポーズを取っているのだ。紛らわしい。みなが同じような姿勢で空を見上げていたら、空で何か非日常的なことが起きているのだと思ってしまうじゃないか。
2022年3月 人びと 東京 | |
バック・ショット エクササイズ 松が丘 公園 ポーズ |
No
12197
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年03月07日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
松が丘 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35