バンコクまで向かう列車の出発時間まではまだ時間があったので、引き続きマハーチャイにある商店街の中をウロウロと徘徊していた。ここは観光地でも何でもない普通の商店街だ。歩いている人はみな地元の人で、旅行者の姿は見当たらない。おそらく、僕はこの時この通りを歩いていた唯一の外国人だろう。お店の人はのんびりと仕事をしていて、買い物客もゆったりと道を行き来している。僕がカメラを片手に歩いていても、興味を示したりする人はあまりいない。商店街にはのどかな空気が充満していた。
それでも中には目ざとく僕の挙動に注目する人もいたりして、そういう人たちは無遠慮に声を掛けてくる。僕にとっては待ってましたと思う瞬間だ。写真の花柄のシャツを着た男もそのようなひとりだった。歩いている僕に声を掛けてきた男にカメラを構えると、こんな写真が取れたら楽しいだろうと言わんばかりの勢いで、戯けたポーズを取り出した。その熱意に応じるためにファインダーを覗くと、そこには男のキラキラした瞳が見えた。男は写真を撮られるのを心底楽しんでくれたようだった。
2018年7月 人びと タイ | |
禿頭 花柄 ジェスチャー マハーチャイ 老人 戯ける ポーズ |
No
10671
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年07月31日
更新日
2024年02月06日
撮影場所
マハーチャイ / タイ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA