中野といえばブロードウェイ。ブロードウェイといえばまんだらけ。僕の中にある中野のイメージは不思議にこうなっている。中野ブロードウェイに足を踏み入れたのは数えるくらいしかなく、まんだらけにいたっては一度も店内に足を踏み入れたことがないのに面白い。どうやら僕の中でまんだらけは強烈な印象を放っているようだ。
この貴重な印象を崩さないために、これからも決してまんだらけに足を踏み入れないように気をつけている。一度入ってしまえば、僕の中で純粋に培養されたイメージが現実によって書き換えられ、まんだらけは思っていたよりもすごくないと感じてしまいかねない。せっかく、なんだか分からないけれどすごいと思っているのにもったいない。
昔、イランのペルセポリスという遺跡に興味を持っていて、行ったこともないのに想像を膨らませていた。アケメネス朝ペルシア帝国の都だったところで、アレキサンダー大王に滅ぼされてしまったようなところだから、その遺構は目を見張るようなものに違いない。しかしながらいざ現地に赴いてみると、イメージを勝手に膨らませていた僕を迎えてくれたのは、ところどころに残るレリーフと最近再建されたような柱だけだった。いや、ペルセポリスの遺跡はしょぼくなんてまったくなく、世界遺産にも登録されているような立派な遺跡なのだ。でも頭の中で純粋培養されたイメージに現実が打ち勝つのは生易しくなかっただけだ。
同じ轍を踏まないためにも、中野ブロードウェイにあるまんだらけには行ってはならないと誓っている僕は早稲田通りから中野駅を目指したときも、ブロードウェイを避けてごちゃごちゃした路地を抜けて向かったのだった。
2022年3月 人びと 東京 | |
女の子 中野 歩道橋 列車 |
No
12198
撮影年月
2022年1月
投稿日
2022年03月08日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
中野 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35