ウロウロ道草を食いながらも、ようやくファタヒラ広場へ辿り着いた。ここはオランダ東インド会社が作った植民地バタヴィアの中心地だったところで、石畳の広場の南側に建っているジャカルタ歴史博物館が当時の市庁舎だ。今では正面玄関の上に白と赤のインドネシア国旗がはためいているが、往時はオランダ国旗だったに違いない。
ジャカルタ有数の観光名所になっているファタヒラ広場は、日曜日だったこともあって大勢の観光客で賑わっていた。僕のように国外からやって来たと思われる人もいれば、インドネシア人と思われる人も大勢いた。子どもたちは広々とした広場を駆け回り、若者たちは自撮りするのに忙しい。インドネシアでも承認欲求を満たすSNSは大人気だ。
刺繍のついたソンコをかぶった若い男も旧市庁舎をバックに恋人の写真を撮るのに忙しかった。カメラを向けられた彼女はアバヤをかぶっていた。揃っていかにもイスラム教徒という格好に身を包んでいたカップルだった。
アバヤを着た彼女は眼鏡のところしか外に出していない。イスラム教徒ではない僕には個体識別するのは難しい。相手の男にはどうなのだろう。時間が経ってこの時撮った写真を見た時に、写真に写った女性が誰だったのか、きちんと覚えているものなのだろうか。
2020年5月 インドネシア 人びと | |
アバヤ 帽子 カップル 旗 ジャカルタ 撮影 広場 |
No
11521
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年05月10日
更新日
2023年09月05日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF