あまり百貨店に行かない人間からすると、かつて日本の全ての都道府県に百貨店があったというのはちょっとした驚きだった。2020年1月に老舗である大沼百貨店が経営破綻し、山形県が全国初の「百貨店空白県」になるまで、百貨店という営業形態が日本全国で成り立っていたのだ。
そもそも日本における百貨店の歴史はそれほど長いものではない。一般的には1904年に株式会社三越呉服店が取引先に行った「デパートメントストア宣言」が日本の百貨店の始まりとされているから100年と少ししかない。
つまり100年前の日本のほとんどが「百貨店空白県」だったのが、いつの間にかどの県にも百貨店があるようになり、つい最近になって再び百貨店の存在しない県が現れたということ。山形県に百貨店がなくなるのは大々的にニュースになっていたものの、どのニュースにおいても全ての県に百貨店が存在するようになったのがいつなのかは触れられていない。うがった見方をすれば、日本全国に百貨店が存在した期間はそれほど長くはないとも思えてしまう。
いずれにしても百貨店で買い物する人が減少していているのは事実で、百貨店の閉店は日本経済の衰退の一端として語られることが多い。では百貨店には閑古鳥が鳴いているかと思いきや、伊勢丹新宿店の前はたいそう賑わっていた。ガードマンが立っていて、次から次へとやってくる自動車を差配していた。ここだけを眺めていたら、百貨店業が衰退しつつあるとは到底思えないだろう。
2022年1月 人びと 東京 | |
百貨店 旗 新宿 |
No
12152
撮影年月
2021年11月
投稿日
2022年01月21日
更新日
2023年10月18日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
EF135MM F2L USM