住宅街の路地を通り抜けていた。両脇に低層の家々が建ち並んでいて、ここは都会の喧騒とは無縁だった。穏やかな雰囲気に包まれている。お昼ぐらいだというのに、あまり地元の人の姿はなかった。子どもたちの遊び声も聞こえてこない。そんな閑散とした路地を進んでいると、とある家の前に石造りのベンチが置かれていた。ここは地元の人が寛げるようになっているのだ。
ベンチにはサンダルを履いた年配の男が足を組んで腰を下ろしていた。男は両手で書類を持って、真剣な表情で書類に書かれていることを読んでいる。何の書類を見ているのかは分からない。でも、口を窄めながら読んでいる男は満足そうな表情をしている。ひょっとしたら、手にしている書類は銀行から送られてきた預金通帳で、記載されている残高は男を満足させるに十分な額だったのかもしれない。ちなみに、タイの預金金利はアジア通貨危機以前と比べたらかなり低いとはいえ、日本よりはまだまだ高い。
2018年5月 人びと タイ | |
バンコク ベンチ 眼鏡 老人 |
No
10582
撮影年月
2017年9月
投稿日
2018年05月29日
更新日
2024年02月14日
撮影場所
バンコク / タイ
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA