線路脇にある小さな集落を後にして、オークポースー駅へと戻ってきた。相も変わらず列車の姿は見当たらず、プラットホームにポツポツと人影が見えるだけだ。ここは完全なる田舎の駅だった。時刻表を確認した訳ではないけれど、列車がこの駅にやってくるのはそれほどあるとは思えない。
細長く伸びたプラットホームの横に線路が真っ直ぐに伸びていた。素人目にも歪んでいることが見て取れる。ちょっとでも速度を出したら脱線してしまうのではないかと心配になるくらいだ。プラットホームに目を向けると、利用客の数に比べて多いと思う数のベンチが設置されている。ところどころに地元の人が腰を下ろしてのんびりしている。寝転がってい人もいれば、うたた寝している人もいる。列車が来るのを待っているというより、憩いの場でくつろいでいるかのようだった。
そんな光景を眺めていると、ひとつのベンチに若いカップルが並んで腰掛けているのに気がついた。女の子は悲しそうに俯いていて、男の子は両手で女の子を抱え込むようにして慰めている。ひょっとしたら、ふたりは喧嘩した直後なのかもしれない。
No
11036
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年06月02日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA
モノクロの写真を108枚掲載。もちろんKINDLE UNLIMITEDでも読めます。