道路脇には数台のバイクが駐められていた。ひとりの青年がその中の1台の上でふんぞり返っていた。見たところ、青年はバイクタクシーの運転手でそこで客待ちをしているようだ。でも、客はぞろぞろと湧いてくる訳でもなく、暇そうだ。のんびりと客がやって来るのを待っていた青年は、僕が近づいていっても特に声を掛けてはこない。僕が客ではないことはお見通しのようだ。カメラを青年に向けると、青年は静かに視線を返してくれた。
それはそうと、バゴーの町はイギリスの植民地時代を通して1991年まではペグーと呼ばれていた。時の軍事政権がバゴーに改名したのだという。権力者が町の名前を変えるというのは何を目的としているのだろう。ここを支配しているという事実を広く知らしめたかったのだろうか。なんだか井口を岐阜と改名した織田信長を思い起こしてしまった。いずれにしても、そのような行為で混乱するのは庶民で、権力者は自らの権力を誇示できて満足なのだろう。
No
11133
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年08月07日
撮影場所
バゴー / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA