プラスチックの容器がガピという発酵食品でいっぱいになっていた

バゴー川沿いに市場があった。何も買うつもりはないのだけれど、市場の中へ入っていく。海外を訪れると市場、とくに観光市場ではない地元の市場に行くのが好きだ。地元の雰囲気を味わうには格好の場所だからだ。

薄暗い市場に沢山の店舗が並んでいた。売られているものはヤンゴンや他の町で訪れた市場と大して変わらない。生鮮食品を売るお店もあれば、日用品を売る店もある。そんな市場をウロウロしていると、そのうち得体のわからないものを見つけた。

店頭に置かれた大きなバケツの中にドロドロのものが入っている。よく見てみると、ドロドロの中に魚が見える。どうやら、これはミャンマーの伝統的な発酵食品であるガピというものらしい。バケツの中で漬物のように魚を発酵させたガピは、この国では一般的な食品らしい。おそらくヤンゴンでも売っていたのだろうけれど、僕の目に止まることはなかった。発酵食品だから、美味しいと同時に、個性的な味わいがするに違いない。しかしながら、生まれてこの方、口にしたことのないドロドロの物体は僕の食欲をそそる形態をしていなかった。

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