駅員に尋ねると、この列車が僕の目的地に向かう列車のようだ。確信が持てないのは、そのやりとりが身振り手振りで行われたからだ。僕はビルマ語ができないし、駅員は日本語も英語もできない。でも、この時駅に停車していたのはこの車両だけだったので多分そうなのだろう。
車両の中に入ると、そこは駅全体を覆っていた気怠さが既に充満していた。乗り込んだ乗客は両端の座席の家で思い思いの姿勢を取りながら出発時間を待っている。個人的な見解だけれど、強い日差しの南国には勤勉さは似つかわしくないと思う。と同時に、照りつける灼熱の太陽の下で勤勉に働くのはかなり難儀とも思う。シンガポールを発展させた初代首相のリー・クアンユーは、20世紀最大の発明はエアコンだと言っているくらいだ。エアコンが無ければ、シンガポールのような南国で人びとが勤勉に働くなんて難しかったと考えているのだ。
翻って、ここは21世紀のヤンゴン。エアコンのない車内では人びとはダラダラと時間をやり過ごしていた。でも、旅をするなら、勤勉さを売りにする国よりものどかさが溢れかえっている国の方が楽しいと思う。
2019年2月 ミャンマー 人びと | |
元気がない 乗客 列車 ヤンゴン |
No
10908
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年02月22日
更新日
2024年01月21日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA