ヤンゴンの露天市は賑わっていた。狭い道に大勢の露店商と買い物客が集まっているので、道は混雑していた。野菜も売られているし、果物も売られていて、露店商たちは肩を寄せ合うようにして商売をしていた。大声を上げて商品を売り込んでいる露店商たちの姿もあったりして、ゴミゴミした市場を歩いていると地元の人たちの活気を感じる。でも、皆が皆大きな声を張り上げて商売しているわけではなかった。中には穏やかに商売している人もいる。写真の若い男性は後者だ。
果物の入った大きな籠を路面に置いて腰を下ろしていた男は、目の前を大勢の買い物客が通り過ぎてもただただやり過ごしている。なんだか物思いにでも耽っているようだ。売り込みの口上をしなくても、男の商売は充分に成り立っているのだろう。僕が目の前に立ち止まっても、その表情は変わることはなかった。僕に視線を向けることもなく、どこか遠くを見詰めている。見ていると、この場所が賑やかな市場の真ん中であることを忘れてしまいそうな顔をし続けていた。
2019年1月 ミャンマー 人びと | |
帽子 縁のある帽子 元気がない ロンジー 露天市 ヤンゴン 青年 |
No
10873
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年01月25日
更新日
2024年01月23日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA