何がその違いを生み出す原因になるのかはわからないのだけれど、国民性の違いというものは存在する。外国で観光名所でもない何の変哲もない場所を歩いていると、外国人である僕がそのような場所を歩いていることに興味を示す人はどこの国にもいる。でも、その度合いは国によってかなり違うような気がする。
僕が今まで訪れた国の中で、地元の人がもっとも好奇心旺盛だったのはバングラデシュだ。バングラデシュを訪れた当時はまだフィルムカメラを使っていて、しばらくシャッターを切っているとフィルムを交換する必要が出てくるのだけれど、道端にしゃがんでフィルムの交換をしていると、こっそりと作業をしているのにもかかわらず、いつの間にか周りに人集りができているのだ。地元の人は外国人が道端にしゃがんで何をしているのかと気になって、気になったら自分で確認せずにはいられないようなのだ。また、フィルムを交換していなくとも、道端でたむろしている人の注意を意図せず惹きつけてしまうことは多かった。
ここジャカルタにはバングラデシュの人ほど好奇心旺盛な人はあまりいない。ふらふらと何の変哲もない場所を歩いていても視線を感じることは少ないし、声をかけられることもあまりない。そのようなジャカルタの町で、珍しく好奇心を顕にしてきた男がこの写真の男だ。
カメラを持って歩いている僕に声をかけてきた陽気な男は、自分の写真を撮れ撮れと言ってきた。そして、ただ撮られるだけでは面白くないと思ったのだろう。横を向いて口を大きく開けながら両手の親指を立ててくれたのだった。
2020年11月 インドネシア 人びと | |
陽気 ジャカルタ 提灯 男性 ポロシャツ サムアップ |
No
11732
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年11月17日
更新日
2023年08月30日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF