東京の中心部には橋の付く地名が多い。台東区には浅草橋、橋場、柳橋という地名があり、中央区には日本橋、京橋が、千代田区に目を向けると飯田橋と一ツ橋という地名が存在する。中でも五街道の起点で交通・物流の要所だった日本橋はその名を冠した地名が多く、全てで20個近くある。
このように橋の付く地名が多いのは、想像に難くなく土地のシンボルとなるような橋が多く存在したからだ。つまり川が流れていたということ。今の東京を歩いてもそのような印象は受けないけれど、第二次世界大戦後に至るまで東京は今よりもずっと多くの川が市街地を流れる水の都だったのだ。
流れていた川がなくなってしまった理由は単純で埋め立てられてしまったから。第二次世界大戦時の空爆で生じた大量の瓦礫を、当時の東京都が川を埋め立てるのに使用したためなのだ。これにより幾つもの河川が消えてしまった。その結果、橋の名前だけが地名として残ったというわけだ。
この写真を撮った京橋も、もともとは京橋川に架かる橋の名前だ。京橋川は1950年代に消滅し、京橋という橋もなくなってしまったものの、京橋という名称が地名や地下鉄の駅名に名残を留めているのだ。
2021年11月 町角 東京 | |
籠 配達 薄暗さ 京橋 ポロシャツ 階段 |
No
12105
撮影年月
2021年10月
投稿日
2021年11月29日
更新日
2023年08月16日
撮影場所
京橋 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35