すぐ脇を通り抜けていく車に注意を払いながら進んでいくと、寺院の前へとやって来た。町角に地味な入り口が設けられているだけなのだけれど、門を含め、建物が赤く塗られているのですぐに分かる。ここは大史廟という名前の中国寺院だ。
門の周辺では地元の人たちがウロウロしている。参拝に訪れた人もいれば、ただぶらぶらしている人もいる。大抵の場合、参拝客の多い寺院の前には施しを期待した人たちもいたりするのだけれど、ここにはいなかった。その代わり、門の真正面には仕立屋が店を開いていた。写真の男がそうだ。
首にメジャーをかけた男の前にどしんと置かれたテーブルの上には古いミシンが設置されていた。そして、テーブルの上にはジーンズが載っていた。男はジーンズを仕立て直している最中のようだ。場所柄、参拝客相手の商売をしているのだろうか、男の横にはインスタントコーヒーの袋がいくつもぶら下がっていた。喉が渇いた参拝客にコーヒーを売るのも商売にしているのかもしれない。
いずれにしても、赤いポロシャツに黄色のメジャーがとても映えていた。
No
11556
撮影年月
2020年1月
投稿日
2020年06月07日
撮影場所
ジャカルタ / インドネシア
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF