台湾の嘉義にある故宮博物院南部院区で撮影。
嘉義へとやって来たのは、ここに故宮博物院の南院があるからだった。故宮博物院南部院区は2015年に開館したばかりだけれど、本院と同じように国民党が大陸から持ってきた歴代中国王朝の財宝を展示しているのだ。
広々とした館内に展示されている財宝を見て回っていると、大きな仏像の顔があった。顔から下は消失してしまっているようだ。ライトで照らされていた物騒は穏やかな顔で目を瞑っている。ひょっとしたら、どこからともなくお経が聞こえてくるのを待っているのかもしれない。でも、残念ながらここは寺院ではなくて博物館だ。仏像の周囲に集まってくるのは、僕のような物味遊山の人間ばかりだ。