蒸し暑い午後だった。汗かきな僕は、汗が滝のように流れるのを感じながら町を歩いていた。このような天候の中を歩くのは、僕にとってまるでサウナに入るようなものだ。じっとりと汗をかきながら、きっと健康には良いのだろう、と自分に言い聞かせていた。
地元の人々は、こうした気候に慣れ切っているのだろうと思い込んでいたが、実はそうでもないらしい。道端では涼を取っている人の姿も見かけた。エアコンのない屋内にいることは、彼らにとっても厳しいのだろう。湿気と熱気の中では、室内と屋外の境界線が曖昧になるように思えた。
写真の男も、家の外で涼を取っていたひとりだ。家の前に出した椅子に腰を下ろし、足をテーブルの上に無造作に投げ出している。その様子には、何かしらの自由さと諦めが同居しているように見えた。この場所は、きっと彼にとって個人的な憩いの場なのだろう。
彼の動かない姿とその周囲の静けさが、蒸し暑さの中に奇妙な落ち着きをもたらしているようだった。
2017年5月 人びと 台湾 | |
嘉義 涼を取る リラックス 街灯 |
No
10150
撮影年月
2016年9月
投稿日
2017年05月22日
更新日
2024年12月05日
撮影場所
嘉義 / 台湾
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA