ナシークの町を流れるゴダバリ川。その川岸には、聖地ラムクンドを目指して訪れる巡礼者たちの姿が絶えない。川辺では儀式が営まれ、香の煙が静かに立ち昇っていた。
そんな町の一角を歩いていると、ふたりの男の子が現れた。年の頃は十歳前後だろうか。ひとりは色あせたTシャツに半ズボン。もうひとりは、細かなストライプ柄のシャツをきちんと着ていた。どうやら地元の子どもたちのようで、近くで遊んでいたらしい。
僕がカメラを提げて歩いていたのが気になったのだろう。ふたりはニコニコと近づいてきて、「撮って」と身振りで伝えてきた。レンズを向けると、すぐにひとりがふざけてポーズをとる。体をくねらせ、満面の笑みを浮かべながら、遊びの延長のようにカメラの前に立った。
一方でもうひとりの子は、静かにその隣に立っていた。直立したまま、表情を変えず、僕のカメラを真っ直ぐに見つめていた。どちらが正しいということではない。けれど、その姿勢の違いに、ふたりの性格が自然とにじみ出ていた。
2015年7月 インド 人びと | |
男の子 陽気 二人組 ナシーク 真面目 ストライプのシャツ |
No
9354
撮影年月
2010年9月
投稿日
2015年07月11日
更新日
2025年06月11日
撮影場所
ナシーク / インド
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM