ミョーマ市場で働いている人の多くは暇そうだった。市場には通路の脇に腰を下ろしてお喋りに興じている人もいる。あまり買い物客が来る時間帯ではないようだ。暇を持て余した人びとはスマホをいじるか同僚とお喋りするしかやることがない。写真の濃紺の服を纏った女性も時間を潰していた人たちのひとりだった。
通路の端に出した椅子に腰掛けた女性はスマホを持っていないのか、同僚と話をしながら時間を潰していた。前を通り過ぎようとすると、女性は僕に気がついて、何かを思い出したかのように腕を振り上げる。人差し指を立てながら、何かを僕にまくし立て始めた。
女性が大声で何かを言うと、周囲にいた同僚たちは一斉に笑った。残念ながら何を言ったのかは分からないけれど、周囲の人の反応を見た限り、女性は険しい顔つきとは裏腹に何か面白いことを発したようだ。でも何を言われたのか分からなかった僕に出来ることは、中途半端な作り笑いをすることだけだった。
2019年5月 ミャンマー 人びと | |
指 タナカ タニン 女性 |
No
11011
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年05月14日
更新日
2023年12月20日
撮影場所
タニン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA