桜の季節だった。この時期になると、老いも若きも花見に出かける。普段は花になんて興味のない人間であっても、こぞって花を見に行くのは結構不思議な現象だ。日本人のDNAに桜の花が開花すると、そのように行動するように書き込まれているのかもしれない。いずれにしても、桜の時期になると桜の名所と言われる場所は混雑している。桜だって、大勢の人に美しい姿を見てもらえるのは嬉しいのかもしれないけれど、どこまで喜んでいるのかは分からない。大勢の人間がやって来ても、花粉を運んでくれるわけでもなく、ただ単に花を鑑賞しているだけだ。
この日に訪れた中目黒の辺りも、都内の桜の名所にひとつだ。のんびりと流れる目黒川の両脇に桜の木が植えられている。そして、ここは桜の名所としてだけでなく、小洒落た場所としても知られている。川に沿ってお洒落なカフェやお店も並んでいるのだ。時期が限られているとはいえ、大勢の人がやって来る場所だから商売をするには格好の場所だろう。
歩いていると、アパレルショップの前へとやって来た。店頭には看板が出ている。看板の中の女性は人差し指を口に当てていた。まるで、花見に訪れた人たちに向かって、静かに鑑賞するように伝えているかのようだった。
2018年10月 町角 東京 | |
指 中目黒 看板 |
No
10753
撮影年月
2018年4月
投稿日
2018年10月05日
更新日
2024年01月29日
撮影場所
中目黒 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA