今でも大企業が名を連ねる三菱グループを創業した岩崎弥太郎がどれだけの資産を築いたのかは、よくわからないものの、残っている資産を垣間見るだけでも相当なものというのがわかる。例えば今では東京都の所有する庭園になっている旧岩崎邸庭園は岩崎家の茅町本邸だったところ。三代社長の久彌が建てた邸宅は細部まで意匠に凝っていて、ちょっとやそっとの資産家ではないのが一目瞭然だ。本邸以外にも深川にあった別邸は清澄庭園になり、駒込にあった別邸は六義園になり、中国に関する欧文文献のコレクションは東洋文庫になっている。国宝も所蔵する静嘉堂文庫にいたっては、もともとは岩崎家のコレクションを収蔵していたところだ。うなるように金があったのだろう。
茅町本邸や深川別邸、駒込別邸と比べると影が薄いものの、この日にやって来た国分寺にある殿ヶ谷戸庭園も、かつて岩崎家が所有していた邸宅のひとつだ。洋風邸宅や数奇屋風の茶室などが建っている中で、殿ヶ谷戸庭園の見どころは庭園だ。豊富な湧水を利用して国分寺崖線と呼ばれる段丘崖に作られた回遊式林泉庭園があるのだ。茶室から外を眺めると、すぐに崖があり、その下に池が設けられている。国分寺駅からすぐ近くにあるのに深山幽谷にやって来たかのような景色だ。池に目を向けると飛び石の上を女性が歩いているのが見えた。
2023年2月 町角 東京 | |
庭園 国分寺 葉 池 |
No
12453
撮影年月
2022年11月
投稿日
2023年02月27日
更新日
2023年08月09日
撮影場所
国分寺 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35