分かったような、分からないような言葉に「町中華」がある。それを耳にすると、あまり綺麗ではないかもしれないものの、古くから営業を続けている中華料理屋を思い浮かべる。でも、その思い浮かべたイメージが他の人と同じかどうかは確信は持てない。ひょっとしたら、同じ言葉であっても思い浮かべるイメージは人それぞれかもしれない。WIKIPEDIAでも町中華とは地域に根ざした大衆的な中華料理店のこととしていて、はっきりしない。町中華という言葉はそれくらいフワッとしているのだ。
そんなある日、僕は藤沢にあるとある町中華に行った。JR藤沢駅の近くにある味の古久家というお店だ。1946年から営業している老舗で、「フジサワ名店ビル」というレトロな趣きのビルの地下にある。歴史の長さも、入っているビルのレトロ具合も、店頭に並べられている食品サンプルも、全て僕がイメージする「町中華」だった。意外だったのは行列が出来ていて、入店するのに30分ほど並んだこと。人気があるようだ。この状況を考えてみると、僕のイメージする町中華が世の中の人びとのイメージする町中華とほぼ同じなのがわかり、ちょっとだけ町中華という言葉の輪郭がはっきりした気がした。
2024年7月 町角 神奈川 | |
藤沢 階段 |
No
12611
撮影年月
2023年11月
投稿日
2024年07月13日
撮影場所
藤沢 / 神奈川
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III