太陽の光が容赦なく降り注いでいた。その光は雷門通りの上にくっきりとした影を刻み込む。歩みを進めると、道の反対側にバス停が見えてきた。その場所だけが、影の間に挟まれた小さな日向となっていた。まるで周囲から切り取られた一片の舞台のようだった。
影に囲まれたバス停は、スポットライトを浴びた役者のように際立っている。そこには、様々な人々の姿があった。バスを待つ者、足早に行き交う者、それぞれが光の中で異なる役割を演じているかのようだ。眺めているうちに、奇妙な感覚に囚われた。まるで覗き穴越しに、日常の一部を盗み見ているような気分だった。だが、その穴から見える景色が現実なのか、それとも幻影なのかは、確信が持てない。光と影が作り出すその境界線は、僕の視線を曖昧な揺らぎの中に引き込んでいた。
2017年6月 町角 東京 | |
浅草 バス停 影 歩道 |
No
10192
撮影年月
2016年11月
投稿日
2017年06月27日
更新日
2024年11月25日
撮影場所
浅草 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA