ムンバイの片隅にある小さな漁村を歩いていた。ボロボロのボートや漁船が並ぶ波打ち際を離れると、そこにはもう漁村らしさはほとんど感じられなかった。むしろ、どこにでもあるインドの田舎町のような風情が漂っていた。道端にはかき氷のスタンドが出ていて、喉を潤そうとする人たちの姿も見える。こうした光景もまた、インドでは珍しいものではない。
ただ、少し違ったのは、そこに並ぶ男たちの姿だった。カオスと共存するインドらしからぬ光景だったのだ。人数が少ないとは言え、誰も割り込むことなく、一列に整然と並び、自分の順番を待っている。しかも、多くの男たちはスマホを眺めながら、まるで日本の行列のように静かに待っていた。
その様子を眺めていると、ほどなくして一台のトラックが現れ、荷台の扉が開かれた。中から姿を現したのは、ぎっしりと詰め込まれたニンニクの袋だった。その大量のニンニクの光景は、先ほどの整然とした行列とは対照的に、混沌としたインドらしさを連想させた。
2025年2月 町角 インド | |
食べ物の屋台 ムンバイ 列 トラック |
No
12796
撮影年月
2024年5月
投稿日
2025年02月10日
撮影場所
ムンバイ / インド
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R V
レンズ
ZEISS BATIS 2/40 CF