境内には沢山の手桶が並んでいた

彼岸の時期だった。大勢の人が墓参りをしている。僕も四谷辺りにあるお寺を巡り歩いていた。でも、僕の家のお墓がこの辺りにある訳ではない。縁もゆかりもないお寺をまわっていたのだった。この辺りには多くのお寺が密集していて、本性寺もそのひとつ。お堂の横には手桶が沢山並べられていた。それぞれには、家名と家紋が書かれている。

仏教でもそうだけれど、水には清める力があると思われている。その他数多ある宗教においても、やはり清めるために使われることが多いような気がする。そのような感覚は人類共通のものなのかもしれない。

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