民家の前で大きなイノブタが寝転がっていた

小さな駅の中を一通り歩いて、僕はバーンレーム駅を後にした。乗り換える列車は別の駅から乗らなければならず、そこまでは歩いていかねばならないのだ。線路の上で市場が開かれるメークロンとバンコクを結ぶ線路は、バーンレームの町で分断されてしまっている。この町の脇を流れるターチン川には橋が架けられていないから、このような状況になっているのだった。乗客はフェリーで川を渡り再び列車に乗り込むのだ。とりあえず、僕は地元の人に教えられた道をフェリー乗り場に向かって歩いていた。何の変哲もない住宅街の中を進んでいく。

とある家の前にやって来ると、家の前にある庭でイノブタの家族が遊んでいた。大きな1頭は泥んこの中に寝転がっている。お父さんなのか、お母さんなのかは分からないけれど、目をとろんとさせて気持ち良さそうに寝転がっている、その向こうには遊び回っている子どもイノブタが見える。幸いにもどれも僕には気が付いていない。僕は追い回されることのないように、こっそりと写真を撮ったのだった。

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