静まり返っていた太子堂八幡神社の前にある児童公園を見渡すと、木々の間に置かれたベンチに腰掛けている家族の姿が目に入った。幼い子どもとお父さん、お母さんがベンチに腰を下ろしてピクニックをしているかのよう。桜が咲いているわけでもなく、芝生が張ってあるわけでもなく、風が吹いたら砂埃が起きてしまうような場所だけれど、家族連れからは楽しそうな雰囲気が漂っていた。
家族連れはさておき、ここは太子堂八幡神社というちょっと紛らわしい名前の神社だ。八幡神社と名乗るのだから、主祭神が八幡様なのはわかる。では聖徳太子を祀っている太子堂はどこにあるのかと探したところで見つけられない。なぜならここに太子堂はないのだから。太子堂八幡神社の「太子堂」はこの神社の建っている地名を表しているだけで、神社の境内に太子堂があることを意味していないのだ。
「太子堂」が地名だと知っている人はなんとも思わないかも知れない。でも知らない人は、仏教の庇護者としての聖徳太子を祀ったお堂が神道の神社の境内に建っているように思うかも知れない。それともこのような些末なことを考えるのは僕だけなのだろうか。
2022年4月 人びと 東京 | |
家族 ピクニック 神社 太子堂 木 |
No
12225
撮影年月
2022年2月
投稿日
2022年04月04日
更新日
2023年08月15日
撮影場所
太子堂 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
ZEISS LOXIA 2/35