いつものように新宿を歩いていた。南口を出た辺りには、今でも路地が残っている。この場所は戦後のどさくさに立った闇市の雰囲気を僅かに感じさせるため、特に好きな場所だ。大勢の人が行き交う一方で、自動車が通り抜けることは少ない。
路地の片隅に、自然発生的にできた休憩所のような場所があった。特別な設備があるわけではなく、屋根も椅子もない。ただただ人々が集まっているだけだ。煙草を吹かす人、ジュースを飲む人、皆がそれぞれの時間を過ごしている。たむろする人びとが多いところは、空気もどこか淀んでいるように見えた。
その淀みが不思議と心地よく、僕もその仲間に加わることにした。新宿の喧騒から少し離れ、この路地の片隅で一息つく。僕は戦後の混乱期に賑わった闇市に思いを馳せたのだった。
2017年10月 人びと 東京 | |
路地 新宿 |
No
10317
撮影年月
2017年7月
投稿日
2017年10月18日
更新日
2024年05月20日
撮影場所
新宿 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA