台湾ではしばしば見かけるものの、日本ではあまり見かけないものに媽祖を祀った寺院が挙げられる。媽祖とは1000年前以上前の福建省に実在したとされ、航海神とされる人物だ。時代を経るにつれ、海上活動の守護神から全体的な守護神へ変貌し、台湾や東南アジア各地で人気が高い。中華文化圏や華僑のいるところにはあちらこちらに媽祖を祀った道教の寺院があるのだ。
しかしながら日本で航海神というと底筒男命・中筒男命・表筒男命の住吉大神の方がずっと知名度がある。そのため媽祖を祀った寺院は日本にはあまりないものと思っていたところ、その認識は甘かった。僕が知らなかっただけで2006年には横浜中華街に横浜媽祖廟が落慶し、2013年には東京の大久保に東京媽祖廟が落慶していたのだ。
そこでこの日は東京媽祖廟を訪れるために大久保にやって来た。線路脇におまけのように架かる歩道橋をトレンチコートを着た女性に続いて渡り、大久保を目指す。雑居ビルの密集地に建つ媽祖廟は、予想を裏切り4階建ての寺院だった。各フロアに神様がいて、それぞれの神様の前のテーブルにお供え物が置かれていた。思い込みとは怖いもので、寺院が複数のフロアを持つビルに入っていると、なんだか落ち着かない。心のどこかで寺院は平屋だと勝手に思っているようだ。
2021年9月 人びと 東京 | |
バック・ショット コート 大久保 歩道橋 金網 |
No
12019
撮影年月
2021年2月
投稿日
2021年09月04日
更新日
2024年09月06日
撮影場所
大久保 / 東京
ジャンル
ストリート・フォトグラフィー
カメラ
RICOH GR III