金網の反対側に男の子が立っていた。唇をギュッと結んだまま、一言も発することなく僕のカメラをじっと見ている。シャッターを切っている最中であっても、男の子はこのような強張った表情のままだった。
見知らぬ外国人に写真を撮られるは緊張する体験なのかもしれない。もし僕がベンガル語が出来たなら、ちょっとは男の子の緊張を緩めることが出来たのかもしれないけれど、残念ながら「コンニチハ」くらいしか言えない。男の子は写真を撮り終えた後も、仏頂面のままだった。最後まで心を開いてくれることはなかった。
No
8881
撮影年月
2009年9月
投稿日
2014年11月07日
撮影場所
ショナルガオ / バングラデシュ
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
CANON EOS 1V
レンズ
EF85MM F1.2L II USM