春日大社の回廊にはずらっと釣燈籠が並んでいる。これらは春日の神を崇敬する貴族や武士だけでなく、庶民からも寄進されたもので、中には歴史上の有名人から奉納されたものもある。かつては釣燈籠が奉納されたときに同時に油料も納められ、その油の続くかぎり毎夜灯がともされていたという。電灯のない暗闇に、何千もの灯籠がゆらゆら煌めく光景はさぞかし壮観だろう。
毎夜点灯していた灯籠も、明治時代になって神仏分離や神社制度の変革で取りやめになってしまった。今では境内の約3000基の灯籠全てに火が灯されるのは、節分の夜と中元の夜(8月15日)だけだ。その代わりに回廊の一角にある神職のための詰め所だった藤浪之屋を暗くしてあって、中に点灯された釣燈籠が吊られている。夜の帳の下りた春日大社をちょっとだけ体験できるようになっている。
2024年10月 奈良 静物 | |
提灯 奈良市 神社 |
No
12667
撮影年月
2024年4月
投稿日
2024年10月09日
撮影場所
奈良市 / 奈良
ジャンル
静物写真
カメラ
IPHONE 14 PRO