ユダヤ教のシナゴークはダウンタウンの一角にひっそりと建っていた。ダウンタウンは喧騒に包まれているけれど、それが嘘のようにシナゴークの中は静かだった。それに参拝客の姿も見当たらない。もっとも、在ミャンマーのユダヤ人は数えるくらいしかいないのだから仕方がない。シナゴーグで見かけた人は、みな改修工事をしに来ている作業員ばかりだった。
静けさに包まれたシナゴークを抜け出して外の道に出ると、僕は再び喧騒の中に放り込まれた。まるで音のない世界から音のある世界に戻ってきたようだった。道路脇には何台もの自動車が駐車されていて、男が道端に出した椅子に腰掛けている。男の無効には自転車タクシーも駐められていた。ハンドルの上には帽子が掛けられていたけれど、車夫の姿はない。最初はこの椅子に腰掛けた男が車夫なのかもと思ったけれど、そうではないだろう。ぽっこりお腹の男が日々人を載せてペダルを漕ぐなんていう肉体労働に従事しているようには到底思えなかった。
2019年1月 ミャンマー 人びと | |
サイクルリクシャー 縁のある帽子 男性 笑顔 ヤンゴン |
No
10869
撮影年月
2018年9月
投稿日
2019年01月22日
更新日
2024年01月23日
撮影場所
ヤンゴン / ミャンマー
ジャンル
ポートレイト写真
カメラ
SONY ALPHA 7R II
レンズ
SONNAR T* FE 55MM F1.8 ZA